出生前診断でわかる胎児の染色体異常って何?
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出生前診断でわかる胎児の染色体異常って何?

2013年より始まった新しい出生前診断で、今までよりも妊婦さんの負担が少なく胎児の染色体異常を検査できるようになりました。しかし、多くが流産、死産になってしまう染色体異常の中で、その家族が厳しい判断をしなくてはいけなくなったのも事実です。染色体異常とはどんなものなのでしょうか?

出生前診断でわかる胎児の染色体異常

出生前診断とは?

2013年4月から一部の大学病院で臨床研究が始まった「新型出生前診断」。2015年の発表によれば、検査を受けた妊婦は、2013年度は約8000人弱、2014年度は約1万人です。

費用は20万円以上と高額ですが、それだけ関心が高いということ、高齢出産の女性が増え不安に思う人が増えたと言えるでしょう。

出生前診断とは?この検査は妊婦の血液を検査して胎児の染色体異常を調べるものです。

血液は米国の検査会社に送られ、約2週間で結果が出ます。しかしこの検査で診断できるのは、21トリソミー、13トリソミーと18トリソミーの3種類です。

陽性の結果であれば、より詳しい診断ができる検査を受ける事ができます。ただ、充分なカウンセリング体制が確立していなかったり、染色体異常に関する情報はあっても、実際の出産後に直面する状態や生活のサポートの情報などがあまりないため、診断確定前に人工中絶をする夫婦もあり、命の選択に繋がりかねない、と懸念されています。

また日本産科婦人科学会は、検査対象を35歳以上の妊娠と、ほかの検査で染色体異常の可能性があった場合に限定しています。ただ35歳を契機に胎児の染色体異常の確率が突然上がる訳ではなく、妊婦が若くても発症する可能性はあり難しい問題を含んでいます。

染色体異常って何?

では、染色体異常とはなんでしょう?

私たちの体を作る細胞一つ一つにある情報を担っている染色体。人間の設計図と言っていいでしょう。染色体は2本で1組で働き、人間の細胞には23対46本の染色体が存在します。

23組の染色体のうち、1~22番目まではその人の特徴を決める常染色、23番目が性別を決める性染色体といわれ、性染色体はXY、XXなどと表現され、認知度が高い染色体ですね。染色体異常には、生まれつき染色体に異常を持つ場合と後天的に染色体異常が発生する場合があります。

後者の場合考えられる要因は、放射線や化学物質、喫煙、薬物などです。

染色体異常って何?

先天異常と染色体異常の違いとは?

生まれる前から持った異常を、先天異常といいますが、これには様々なものがあり、染色体異常はその一つの原因です。

先天異常には超音波検査で見つかる異常や前述の新型出生前診断や、さらに詳しく調べる羊水検査で見つかる染色体異常もありますが、実はすべての先天異常を見つける事ができる訳ではありません。

羊水検査では異常がなかったのに出産してみると異常がある場合もありますし、自閉症など数年たってから診断が確定する精神的な異常も存在します。

胎児の染色体異常とは?

精子と卵子が受精すると、それぞれ対になっていた染色体が分裂して、新しい1組になります。しかしこの時に何らかの不具合がおき、本来2本のところが3本になったり、逆に少なかったりして数的に異常が出る場合と、本来、対にならない染色体同士が対になってしまう構造的な異常が起こる場合があります。

また受精卵の分裂過程で異常が起こることもあります。染色体異常は受精時には8%位、受精卵の分裂時には約50%に起こっているといわれますが、出生時には、0.5%にまで減少します。

つまり胎児の染色体異常は一部を除いては、胎内で生命を維持する事が出来ずに多くの場合、流産、死産してしまうのです。

新生児に見られる染色体異常とは?

赤ちゃんとママの手

前述のように、新生児における染色体異常となると、染色体が1本多いトリソミーは13、18、21番染色体とX染色体の4種類、染色体が1本少ないモノソミーはX染色体のみと言われています。 新生児の染色体異常として、認知度が高いのが、21トリソミーのダウン症です。

ダウン症

ダウン症は21番目の染色体が1本多く、特徴的な顔つき、全身の発育障害などが特徴です。また先天的に心臓などの内臓に疾患も持っていることが多く、以前は平均寿命がかなり短く成人まで生きられなかった例が多いのですが、現代では医療、療育の両面の分野も発達し、50代過ぎまで寿命が延びているそうです。

ダウン症に関しては母体の年齢が発症頻度に関係していると言われていますが、もちろん若くても可能性はあります。

出典:Angel RISA「ダウン症の染色体」

Angel RISA「ダウン症の染色体」 http://angelrisa.com/idengaku.htm

18トリソミー

エドワーズ症候群ともいわれ18番目の染色体が1本多く、成長障害や呼吸障害、心疾患などが特徴的です。新生児の生存率は低く、体内で死亡する場合が多くなります。また約90%が生後1年以内に亡くなってしまう可能性があります。ダウン症に次いで頻度が多い異常です。

13トリソミー

パトー症候群ともいわれ、13番目の染色体が1本多いものです。こちらも成長障害や呼吸障害、心疾患が多く見られ、生後1ヶ月以内に約50%が、1年以内に約90%が死亡してしまう可能性があります。

ターナー症候群

女性の性染色体の一方のX染色体が全てまたは部分的に欠けているものです。低身長、性的発達がない(卵巣未発達)などが特徴ですが、2,000~2,500人(女子)に1人の割合で見られ、ほとんどの方は健康に人生を送ることができます。

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