健康な女性も卵子を凍結したほうがいいの?卵子凍結保存のリスクとは?
107views

健康な女性も卵子を凍結したほうがいいの?卵子凍結保存のリスクとは?

病気治療の際の選択肢ではなく、健康な女性でも、若い頃に卵子を凍結しておけば、いくつになっても妊娠出産できるのね!と夢のような話がありますが、卵子採取の実態や、凍結保管の費用、その後の妊娠出産など、卵子凍結保存のリスクについて探ってみました。

発展する不妊治療

医学が進歩し、昔ならあきらめていた状況でも子どもを授かる可能性が上がってきています。倫理的な問題や法整備も後手後手に回る中、当事者の要求にこたえる形で進んでいるのが実情です。

不妊治療は年々発展しています

費用のかかる不妊治療

不妊治療は、ごく最初の一般的な治療である、タイミング療法や排卵を誘発するHMG-HCG療法は保険診療です。

しかし、その後のより高度な不妊治療である人工授精、体外受精、顕微授精となると保険は適応されず、自由診療になるため、高額な費用が必要です。

病院によって異なりますが、人工授精で1回、1~3万円程度、体外受精では20万円~60万円ぐらいかかり、卵子や精子、受精卵を凍結する場合もあり、またその管理などにも費用がかかります。

また、ほとんどの方が東洋医学や民間療法などにも積極的で、ハリや漢方、飲料などにこだわるため、どのくらいの期間を不妊治療に充てるかにもよりますが、膨大な費用と肉体的、精神的ストレスがかかるのはいうまでもありません。

不妊治療にはかなりの費用がかかります

助成金のあれこれ

しかし、昨今では少子化が問題で、政府も助成金などに予算を割くようになり、その内容も拡充してきました。

2016年1月に厚生労働省は、不妊治療にかかる費用の助成金を拡大し、初回の治療に限り助成額の上限を15万円から30万円に引きあげることを決めました。

また、今までガンなどの病気の女性が、治療の影響で妊娠出産ができなくなる恐れがある場合に備えて、ガン治療の前に卵子を凍結するということが行われてきました。

しかし、千葉県浦安市では独自に、健康な女性が将来のために卵子を凍結する場合にも助成金を支払うことを決定しました。

ただ、日本産科婦人科学会では、健康上のリスクなどを考慮し、健康な女性の卵子凍結は推奨しないとしており、様々な波紋が予想されます。

卵子凍結保存のリスクには何がある?

結婚適齢期という言葉は現代ではあまり意味を成していませんが、医学がどんなに発達しても、残念ながら妊娠適齢期は確実に存在します。その原因の1つが卵子の老化です。

卵子は毎月生理の度に作られているのではなく、すでにお母さんのお腹の中にいる胎児のときに、その卵子の素が出来上がっており、その一つ一つが成熟して排卵されているにすぎません。つまり、卵子は日々老化しており、当然若い卵子の方が妊娠しやすいのです。

ですから、晩婚化が進んでいる現代では、若いうちに卵子を凍結しておきたいというニーズが出てくるのは、当然の流れかもしれません。

しかし、自然妊娠ではありませんし、それなりに卵子凍結保存のリスクというものも存在するでしょう。

卵子凍結はどうやってするの?費用は?

卵子の凍結は、女性の卵巣から卵子を取り出し凍結保存するというものですが、様々な手順やリスクもあります。

まず卵子の採取です。排卵誘発を全く行わず自然に卵が育つのを待つ方法もありますが、多くの場合は、効率よく採取するために、内服薬や注射などを使用し、複数の卵子を育てます。

しかし卵子採取まで最低10日の通院が必要になり、排卵誘発剤の接種は吐き気や膨満感などの副作用もあります。また卵子の採取のためには卵巣に針を刺します。

日帰り手術のような感じですが、無麻酔の場合も、全身麻酔の場合もあり、クリニックで確認が必要です。

その後、採取した卵子を凍結保存します。費用は採取して凍結保存する個数にもよりますが、採取凍結まで30万円以上、高いところだと100万円以上とも言われ、さらに卵子の保管料に、1個につき年単位で2万円程度かかるようです。

また凍結した卵子を融解し、体外受精するのには、また別途費用がかかってきます。

4c3bf5c33db1b5d27e15b13625d61665_s お金 一万円 出費 費用 money 散財

卵子凍結はいつまで?

日本産科婦人科学会は、健康な女性の卵子凍結に関して推奨してはいませんが、行う場合には「40歳以上の採卵」は推奨しない、また、凍結卵子を使用した「45歳以上の体外受精への使用」は推奨しないとしています。

なぜなら、凍結した受精卵に比べ、凍結した卵子では妊娠率が低いことがあげられ、妊娠率は5~10%となると予想されているからです。

なぜそんなに妊娠率が低いかというと、質の良い卵子しか実際は妊娠しないからですが、それは受精させてみないと立派な受精卵になるかどうかはわからないからです。

また、採取や保管に関しては、各病院独自で基準を決めているようです。

凍結した卵子で本当に妊娠する?

凍結した卵子で本当に妊娠する?
実際に大阪で、凍結保存した卵子を使って44歳の女性が妊娠出産をした、というニュースが飛び込んできました。41歳の独身のときに仕事が忙しいため、卵子を採取し凍結保存していましたが、その後結婚し、この卵子を使って体外受精で妊娠をしたようです。

一見、希望のあるニュースですが、このクリニックでは、2010年から健康な女性の卵子凍結をはじめ、2015年末までに229人の卵子を凍結保存しています。

そのうち、17人で体外受精を実施していますが、出産できたのは、この女性だけのようです。費用は数100万にのぼるとか…。

また、「卵子を凍結したんだからいつでも大丈夫」と安心していまい、実際には妊娠はおろか結婚の予定も具体的に持っていない方も多いようで、卵子の凍結保存を中止したクリニックもあるようです。

母体のリスクも考えて

上記のように、妊娠できるのね!と、希望を持つ人もいると思うのですが、実際のところ、女性の体は、卵子を採取したときから着実に年を取っているので、子宮や体には年々負担が大きくなります。

この卵子凍結保存のリスクとして、卵子は若い状態ですが、体は老化している、という事実があります。

前出の女性は妊娠出産できましたが、母体の加齢によって妊娠率もさらに低下することや、妊娠の継続が危ぶまれることも、視野に入れておかなくてはいけません。

PR