紀子様やタレントの矢沢心さんも心配された前置胎盤とは何?なぜ前置胎盤は安静にしないといけないの?
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紀子様やタレントの矢沢心さんも心配された前置胎盤とは何?なぜ前置胎盤は安静にしないといけないの?

2006年に紀子様が部分前置胎盤を乗り越えご出産されたことが話題になったり、2014年にはタレントの矢沢心さんも前置胎盤だった事を発表されました。非常に危険だ、という認識のある前置胎盤ですが、どのようなものなのでしょうか?前置胎盤は安静が必要とも言われていますが、その理由は?

前置胎盤とは

医学が進んだ現代でさえも妊娠出産にかかわるリスクは存在します。一昔前ならかなりの危険性をはらんでいた前置胎盤もその一つ。しかし今でも妊娠中もしくは、出産時に大量出血などの危険はあり、その管理には細心の注意をすべきものです。

胎盤は赤ちゃんのホーム

まず、胎盤とはどのような役割をはたすものでしょうか?

受精卵は分裂を繰り返して、子宮に到達します。着床すると、胎芽となり、それを包む胎嚢が発達し、妊娠6~7週頃になると赤ちゃんの心音も確認できます。このころはまだ胎盤はできていなくて、赤ちゃんにはママの血液の成分がダイレクトに伝わっています。しかし子宮に到達した受精卵には絨毛という根のようなものができ始め、丁度厚くなってベッドのようにふかふかになっている子宮内膜に潜り込んで、どんどん根を増やしていきます。

胎児と胎盤の成長

まさにその飛び込んだ部分の子宮内膜も丸く厚くなりだし、徐々に山のようになり、妊娠14-16週頃に胎盤が完成します。胎盤はたくさんの絨毛が密林のように生えていて、絨毛の周りは血液で満たされていて、絨毛にはたくさんの毛細血管があり、そこを通る血液によって、ママと赤ちゃんは酸素や栄養、老廃物、酸素と二酸化炭素などのやり取りをします。

多くの絨毛でできている胎盤は赤ちゃんのホームグランド。胎盤ができる前はダイレクトに伝わってしまう物質なども、胎盤によってある程度はブロックされます。まさに未発達の赤ちゃんの組織や器官に代わる働きを担っているのです。

どんどん成長する胎盤

赤ちゃん同様に、胎盤も妊娠が進むにつれて成長します。最終的には直径は約15センチから20センチ、厚みは2センチ~3センチ、重さは500~600gにまで大きくなります。

どこに胎盤ができるの?

ふかふかになった子宮壁に到達した受精卵は通常は子宮体部の子宮の奥の方、つまりママにしてみれば体の上の方に着床します。しかし、なんらかの理由により、子宮の下の方に着床してしまい、子宮の出口を胎盤が覆ってしまうことがあります。これを前置胎盤、といいます。

赤ちゃんが出てくる子宮の出口から先に胎盤が出ることになり、赤ちゃんへの酸素が途絶えたり、大量出血するので母子ともに危険になりますので、経膣分娩ができなくなります。前置胎盤になってしまう理由の大半は不明の事が多いですが、流産手術や帝王切開、子宮筋腫などにより子宮内膜に傷がある場合、その場所を避けて着床するため、なりやすい、ともいわれています。その頻度は、全分娩の0.3~0.6%といわれています。

前置胎盤のタイプ

前置胎盤には子宮の出口、つまり内子宮口をどのように覆っているか、によって分類されます。完全に内子宮口を覆っている場合を、全前置胎盤、胎盤の端が内子宮口にぎりぎり到達している場合を、辺縁前置胎盤、一部だけかかっている場合を、部分前置胎盤、といいます。内子宮口から胎盤が5センチ以内にある場合は、低置胎盤といい、こちらも同様に危険なものです。

胎盤は動く?

前述のように、胎盤は赤ちゃんの成長とともに大きくなっていきます。もちろん子宮も大きくなっていきます。それに伴い、徐々に胎盤が上にあがり、最終的には前置胎盤でなくなる場合があります。ですので、確定的な前置胎盤の診断は妊娠31週頃までにされる場合が多いようです。しかし、お腹が張りやすくなる妊娠28週以降、自覚症状のなかった前置胎盤の出血があることがあります。

出血のリスクを考えとにかく安静!

前置胎盤の出血のリスクを考え安静

本来できないところに胎盤があるのが前置胎盤。妊娠後期になって、お腹が張って子宮の内圧が上がると胎盤が子宮から剥がれ出血してしまうことがあります。前置胎盤で怖いのはとにかく大量出血。
ですので、前置胎盤の疑いがある、と診断された場合は、お腹の張りや出血がなければ普段通り生活してもいいですが、基本は無理な運動を避け、性交渉も控えましょう。もし出血してしまったら即入院で安静に、また、子宮が収縮しやすくなる妊娠32週から34週には、入院して安静にするのが一般的な前置胎盤の管理の仕方のようです。
37週、38週頃に帝王切開で出産するのが一般的ですが、それまでは子宮収縮抑制剤の投与で、お腹が張って出血しないようにしつつ、出産時の大量出血に備えて、貧血の改善や自分の血液をストックしておく「自己血貯血」を行う場合があります。出産が近づくにつれ、前置胎盤は安静に、が合言葉です。

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