食生活だけの問題じゃない、生活習慣病の糖尿病とはちょっと違う妊娠糖尿病の治療と原因について
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食生活だけの問題じゃない、生活習慣病の糖尿病とはちょっと違う妊娠糖尿病の治療と原因について

妊娠前は正常だったのに、突然妊娠中に血糖値が高くなって驚いてしまう妊娠糖尿病。近年、妊娠糖尿病と診断され、入院する妊婦さんが増えています。一般的に知られる糖尿病とは何が違うのでしょうか。妊娠糖尿病の治療や原因は?

糖尿病とは?

糖尿病とは

厚生労働省が生活習慣病の筆頭としてとりあげている糖尿病。日本人の3分の2の人は生活習慣病で死亡しているといわれ、他に脳卒中、心臓病、脂質異常症、高血圧、肥満があります。どれも長年の健康によくない生活が引き起こすものです。糖尿病は高血糖の状態が続き、様々な全身疾患がおこります。

増えている妊娠糖尿病

2010年に妊娠糖尿病の診断基準が厳しいものとなったため、2009年から2011年の間に妊娠糖尿病の入院患者数は2.5倍に膨れ上がりました。しかし、基準が厳しくなったという事はそれだけ影響がある、という事ですね。しかし、妊娠糖尿病と、一般的な糖尿病とはちょっと事情が違うようなんです。

妊娠糖尿病とはなんでしょう?

妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病とは、妊娠前には血糖値は正常で、糖尿病とは診断されたことはないのに、妊婦健診などの検査で初めて血糖値に異常が認められた場合をさしています。日本糖尿病学会では、明らかな糖尿病は妊娠糖尿病に含めない、としています。つまり一般的に認識されている糖尿病と妊娠糖尿病を区別しています。

妊娠糖尿病の原因は?

糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病などいくつか分類され、遺伝が原因とされるものもありますが、一般的なものとしては、長年の食事や運動不足が原因となっているものが多く、どうしても個人の不摂生が原因にされてしまう事があります。その認識のせいか、妊娠糖尿病と診断された人に対しても、医療機関に従事している人でさえ、だらけた生活をしている、と誤解する場合もあるとか。しかし、妊娠糖尿病を引き起こす原因は、胎盤から分泌されるホルモンのせいとされています。

ホルモンのバランスが原因

膵臓から分泌されるインスリンは、血糖値を下げる働きを持つただ一つのホルモンです。しかし妊娠すると、この血糖値を下げるインスリンの働きを弱めるホルモンが胎盤から分泌され、血糖値が正常値より上がりやすい状態に陥ってしまいます。通常の妊娠では、その影響を上回る量のインスリンが分泌され、正常に血糖値が維持されるのですが、妊娠糖尿病の方の膵臓には少し機能に異常があり、インスリンが充分に分泌されないのです。したがって、この異常は、体質と言ってもいいものです。

妊娠糖尿病の診断基準は?

家族に糖尿病の人がいる場合は、妊娠糖尿病のリスクが高まりますので、妊娠初期の妊婦健診の問診で家族の既往歴などもチェックされ、リスクが高いと判断される方は、早めに血糖値の検査を行います。食前、食後を問わず、血糖値が100mg/dl以上あった場合は、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施し、妊娠糖尿病かどうか診断します。

75g経口ブドウ糖負荷試験とは?

妊娠糖尿病の原因

75g経口ブドウ糖負荷試験とは、8~10時間以上絶食した状態で朝、採血し、血糖値を測ります。その後、ブドウ糖75gを水に溶かしたものを速やかに飲み、1時間後と2時間後に再び採血し、血糖値の推移を測る検査です。最初の空腹時に92mg/dl以上、1時間後の値で180mg/dl以上、2時間後の値で153mg/dl以上のいずれか一つにでもあてはまると、妊娠糖尿病と診断されます。

妊娠糖尿病の治療方法は?

一般的な糖尿病の治療の基本は、運動と食事制限です。妊娠糖尿病の治療の場合は、妊娠中のため運動が制限されるので、基本は食事療法になります。血糖値が正常に維持できないと、胎児が巨大児になる傾向にあり、低血糖で死産になるケースも。妊婦さん自身も妊娠高血圧症候群になりやすく、羊水過多症のリスクも高まります。
食事療法で成果が見られない場合は、インスリンを投与する薬物療法になります。妊娠中の食事療法については、必要な栄養は確保しなくてはなりませんから、必ず医師や栄養士の指導を仰ぎましょう。

妊娠中にインスリンを使っても大丈夫?

妊娠中のインスリン注射

妊娠中は風邪薬でさえ、服用するのに抵抗がある人もいるのに、インスリンは大丈夫でしょうか?血糖値を下げる飲み薬もありますが、胎盤を通して胎児に影響があるので、むしろインスリン療法は安全とされています。糖尿病にとって以前はインスリンは最後の手段、というようなイメージがありましたが、現代ではさまざまな製剤や方法が進歩し、初期段階からのインスリン療法の導入が推奨されています。もちろん妊娠糖尿病にも適応するとされています。

何もトラブルのないマタニティライフが理想ですが、こればかりは妊娠してみないとわからないものです。妊娠糖尿病になった人は産後に2型糖尿病になるリスクが高いという調査結果があります。妊娠中にバランスのとれた食生活を身に着け、産後の長い人生を健康に過ごす足がかりとしましょう。

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